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心臓血管外科

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心臓血管外科のご紹介

オホーツク医療圏の心臓血管外科医療を支える基幹施設として、心臓・大血管・末梢血管疾患に対する専門的な外科治療を提供しています。

低侵襲心臓手術(MICS・鏡視下心臓手術)は累計100例を超え、地域で受けられる高度専門医療の充実を進めています。

オホーツク医療圏の心臓血管外科医療を支える基幹施設として

北海道立北見病院 心臓血管外科は、オホーツク医療圏における心臓血管外科の基幹施設として、心臓・胸部大血管・腹部大動脈・末梢血管疾患に対する幅広い外科治療を行っています。

 

狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス術、心臓弁膜症に対する弁形成術・弁置換術、大動脈瘤や大動脈解離に対する人工血管置換術・ステントグラフト治療、閉塞性動脈硬化症や下肢静脈瘤、透析用シャント手術まで、心臓血管外科領域のさまざまな疾患に対応しています。

 

また、急性大動脈解離や破裂性大動脈瘤など、緊急性の高い重症疾患に対しても、地域の救急医療体制と連携しながら迅速な治療を提供しています。

低侵襲手術への積極的な取り組み

当科では、従来の胸骨正中切開による確実性の高い手術に加え、患者さんの身体的負担を軽減する低侵襲治療にも積極的に取り組んでいます。

 

心臓弁膜症や冠動脈疾患に対しては、3D内視鏡を用いたMICS・鏡視下心臓手術を導入しており、創部を小さくすることで、術後の疼痛軽減、早期離床、早期退院、社会復帰の促進を目指しています。

現在までにMICS・鏡視下心臓手術は累計100例を超えています。 2020年以降も症例数を着実に積み重ねており、2025年にはMICS・鏡視下心臓手術を年間29例施行しました。2025年の内訳は、MICS弁膜症手術23例、MICS-CABG 5例、その他MICS 1例です。今後も安全性を重視しながら、患者さんの負担を軽減する治療選択肢の拡充に努めます。

さらに、内視鏡システムは4K対応機器へ更新されており、より精細な術野で安全性と正確性を高めた手術を行うことが可能となっています。

 

MICS・鏡視下心臓手術件数の推移

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年度 MICS-CABG MICS弁膜症手術 その他MICS 合計
2020年 1例 4例 0例 5例
2021年 2例 4例 0例 6例
2022年 7例 3例 0例 10例
2023年 16例 11例 0例 27例
2024年 9例 10例 0例 19例
2025年 5例 23例 1例 29例

大動脈疾患に対するステントグラフト治療

大動脈瘤や大動脈解離に対しては、従来の開胸・開腹手術だけでなく、ステントグラフトを用いた血管内治療も積極的に行っています。

 

胸部大動脈に対するTEVAR、腹部大動脈に対するEVARを症例に応じて選択し、近年では皮膚切開を伴わない経皮的治療も主流となっています。高齢の患者さんや合併症を有する患者さんに対しても、できるだけ身体への負担を抑えた治療を提供できるよう努めています。

診療実績

当科では、心臓・大血管・末梢血管疾患に対して幅広い手術を行っています。2024年の心臓血管外科手術総数は335例であり、そのうち心臓・胸部大血管手術は143例でした。急性大動脈解離や破裂性大動脈瘤など、24時間以内に手術を要する緊急症例にも対応しており、2024年は心臓・胸部大血管緊急症例を23例施行しました。

年間手術件数の推移

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年度 心臓・胸部大血管緊急症例 心臓・胸部大血管手術総数 心臓血管外科手術総数
2020年 17例 97例 243例
2021年 20例 124例 293例
2022年 14例 113例 308例
2023年 9例 123例 314例
2024年 23例 143例 335例

2024年は、過去5年間で最多となる心臓・胸部大血管手術143例を行いました。緊急症例も23例と増加しており、オホーツク医療圏における重症心血管疾患の受け入れ体制を維持しています。

2024年の主な手術内訳

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領域 件数
冠動脈バイパス術 31件
うち人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術 29件
うちMICS・鏡視下手術 9件
弁膜症手術 32件
うちMICS・鏡視下手術 10件
胸部大血管手術 66件
うち胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR) 36件
腹部大動脈瘤手術 53件
うち破裂性腹部大動脈瘤 9件
うち腹部ステントグラフト内挿術(EVAR) 49件
末梢血管手術 30件
透析用シャント手術 43件
下肢静脈瘤手術 58件

地域で完結できる高度専門医療を目指して

オホーツク地域は広大な医療圏であり、札幌など都市部への搬送には時間を要します。当科では、地域の循環器内科、救急科、麻酔科、集中治療部門、看護部、リハビリテーション部門と連携し、重症心血管疾患に対して迅速かつ安全な医療を提供できるよう努めています。

 

学術活動

当科では、日々の診療に加えて、学会発表、講演、論文発表などの学術活動にも積極的に取り組んでいます。低侵襲心臓手術、大動脈ステントグラフト治療、冠動脈バイパス術、大動脈解離治療などについて全国学会や研究会で発表を行い、最新の知見を日常診療に還元しています。

 

また、院内スタッフを対象とした教育セミナーや手術見学会なども行い、チーム全体で心臓血管外科医療の質を高める取り組みを継続しています。

論文発表

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論文名 著者 掲載誌
A Surgical Protocol for Establishing Spinal Cord Ischemia with Extended Lifespan a​nd Low Complication Rates in Rats Naomi Yasuda, Masanori Sasaki, Jeffery D. Kocsis, Nobuyoshi Kawaharada, Osamu Honmou World Neurosurgery

主な学会発表

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演題 発表者 学会 開催日・開催地
MICSを導入するのに役立った呼吸器外科手術経験 橋口 仁喜、安田 尚美、大川 陽史、末永 大河、井上 聡巳 第1回 JATS-NEXT Annual Conference 2024年1月27日・大阪
ランチョンセミナー:胸骨閉鎖のベストプラクティス 橋口 仁喜 第1回 JATS-NEXT Annual Conference 2024年1月27日・大阪
右下肢、両腎、右冠動脈におけるMalperfusionを合併したStanford A型急性大動脈解離に対してDAVID+TAR+FETを施行した一例 末永 大河、橋口 仁喜、安田 尚美、大川 陽史、井上 聡巳 第52回日本血管外科学会学術総会 2024年5月29日・別府市
川崎病性冠動脈瘤術後一年6か月に発症した遅発性橈骨動脈仮性瘤の一例 安田 尚美、橋口 仁喜、大川 陽史、末永 大河、井上 聡巳 第52回日本血管外科学会学術総会 2024年5月29日・別府市
大動脈縦切開によるTATEGIRI MICS-AVRの有用性 橋口 仁喜、安田 尚美、大川 陽史、末永 大河、井上 聡巳 第8回日本低侵襲心臓手術学会学術集会 2024年7月6日・大分市
Sequential bypassの極意 〜修練医の視点と指導医の視点〜 橋口 仁喜、大川 陽史 第28回日本冠動脈外科学会学術大会 2024年7月11日・東京
基部置換を要する急性大動脈解離に対するTotal fenestrated FETの可能性 橋口 仁喜、安田 尚美、大川 陽史、末永 大河、井上 聡巳 第7回北海道外科関連機構合同学術集会 2024年9月14日・札幌
冠動脈バイパス術後の透析患者における感染性心内膜炎に対して胸骨再切開による僧帽弁形成術を施行した1例 末永 大河、橋口 仁喜、安田 尚美、大川 陽史、井上 聡巳 第7回北海道外科関連機構合同学術集会 2024年9月15日・札幌
Treatment Strategies for Type B Aortic Dissection in Our Hospital 橋口 仁喜 第77回日本胸部外科学会学術集会 2024年11月2日

主な講演

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演題 講演者 講演会 開催日・開催地
VALIANT CLOSED WEBの特徴を生かしたLSA preserved TEVAR 〜Zone 2.5 TEVARのその後〜 橋口 仁喜 Medtronic Rising 2024 2024年4月20日・札幌市
MICSにおけるピットフォール 〜人工腱索長の決定方法〜 橋口 仁喜 Edwards Hands on series in Sapporo 2024年3月23日・札幌市
道立北見病院における低侵襲手術への取り組み 橋口 仁喜 C4 Medical Summit 2024年9月4日・大空町東藻琴

患者さんへ

心臓や血管の病気は、突然発症し命に関わることもあります。一方で、適切な時期に診断し、患者さん一人ひとりに合った治療を選択することで、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。

 

当科では、患者さんの年齢、体力、生活背景、病気の状態を総合的に判断し、開胸手術、低侵襲心臓手術、ステントグラフト治療、薬物治療や経過観察を含めた最適な治療方針を提案します。

今後の取り組み

当科では、地域における心臓血管外科医療を維持・発展させるため、緊急手術への対応、低侵襲治療の推進、若手医師の教育、院内スタッフへの教育活動、学術発信を継続していきます。

オホーツク医療圏の患者さんが、地元で安心して高度な心臓血管外科治療を受けられるよう、今後も安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。